スマホをやめれば本当に眠れる?ブルーライトと入眠の関係とは

睡眠の悩み

夜、ベッドに入ってからスマホをつい触ってしまう――
ニュース、SNS、動画…少しだけのつもりが、気づけば眠気が吹き飛んでいた。
そんな経験、ありませんか?

最近では「寝る前のスマホが不眠を招く」という話をよく耳にします。
その原因のひとつとしてよく挙げられるのが、“ブルーライト”の存在です。

でも実際のところ、

「ブルーライトってどのくらい悪いの?」
「夜スマホを見たら、やっぱり眠れなくなるの?」

と、疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、

  • ブルーライトとは何か?
  • どうして睡眠に影響するのか?
  • 最新の研究でわかった「本当に気をつけるべきこと」
  • スマホと上手につき合うための調整術

をわかりやすくご紹介します。

スマホ=悪者ではなく、
「眠りにやさしい夜の過ごし方」を見つけていくヒントになればうれしいです。

💡 ブルーライトとは?起きるための光が“夜”に仇になる理由

スマホやパソコン、テレビの画面から発せられる「ブルーライト」。
よく耳にするけれど、実際にどんな光なのか、なぜ睡眠に影響するのかは、意外と知られていません。


🔵 ブルーライトは、自然界にも存在する光

ブルーライトとは、**波長が380〜500nmの「青色光」**のこと。
可視光線の中でもエネルギーが強く、まぶしさを感じやすいのが特徴です。

実はこのブルーライト、太陽光にも含まれています。
つまり、朝に浴びるブルーライトは「目を覚ます」ためのスイッチとして私たちにとって必要な存在でもあるのです。


🌙 夜のブルーライトは“体内時計”の乱れを引き起こす

問題なのは、夜にブルーライトを浴びること

本来、夜になると脳の松果体(しょうかたい)から「メラトニン」という睡眠ホルモンが分泌され、自然に眠気が訪れます。
しかし、ブルーライトを浴びるとこのメラトニンの分泌が抑制されてしまうことがわかっています。

結果として:

  • 「なんだか目が冴える」
  • 「寝つきが悪くなる」
  • 「夜中に目が覚めやすくなる」

といった、入眠のリズムが崩れた状態になってしまうのです。


☝️ ポイント:
ブルーライトは、朝は「目覚まし」、夜は「睡眠の妨げ」になる両面性を持った光。

📱 スマホ画面が眠りを遠ざけるメカニズム

「夜にスマホを見ると眠れなくなる」と言われる理由は、単に“刺激になるから”だけではありません。
その裏には、私たちの脳と光の関係が深く関わっています。


🧠 メラトニン分泌をストップさせる信号

私たちの体内には「体内時計(サーカディアンリズム)」が備わっており、光の刺激によってリズムを調整しています
目に入った光は網膜を通して、脳の「視交叉上核(しこうさじょうかく)」という部位に届き、
「今は昼なのか夜なのか?」を判断します。

スマホ画面のように明るく青白い光=ブルーライトを夜に浴びると、
脳は「今は昼間だ」と勘違いしてしまい、眠気を促すメラトニンの分泌が抑えられてしまうのです。


⏰ 「ちょっと見るだけ」でリズムはずれる

たとえ数分でも、強い光を目にすることで脳が覚醒状態に近づくという研究もあります。
加えて、SNSやニュースのスクロールといった脳を刺激する情報を処理していると、
「頭は休みたいのに心はまだ起きている」状態になってしまい、
ベッドに入ってもなかなか眠れない…という悪循環に。


📌 ポイント:
スマホ画面の“明るさ”と“情報量”のダブルパンチが、スムーズな入眠を妨げている。

🔬 最新研究でわかった“スクリーンの影響度”

「寝る前のスマホは良くない」と言われても、
「どれくらい影響があるのか?」と疑問に思う方も多いはず。
近年、睡眠とデジタル機器に関する研究が進み、具体的なデータが数多く発表されています


📉 ブルーライトはメラトニンを大幅に減少させる

ある研究では、夜にブルーライトを浴びるとメラトニンの分泌量が最大50%以上減少することがわかっています。
また、蛍光灯と比較しても、スマホやタブレットのような近距離のスクリーンはより強い影響を及ぼすとされています。


🕒 寝る1時間前のスマホ使用で、睡眠時間が短くなる

アメリカの大学研究では、寝る前の1時間スマホを使用したグループは、使用しなかったグループに比べて平均24分睡眠時間が短かったという結果が出ています。
さらに、入眠までの時間も長くなり、寝つきの悪化や眠りの浅さにもつながることが報告されています。


🔄 ただし「ブルーライトだけが原因とは限らない」説も

一方で、最近の研究では、

「画面の明るさや使用時間、心理的な興奮が睡眠に影響しているのでは?」
という指摘もあります。

つまり、ブルーライトそのものよりも、

  • 長時間スクロールしてしまうこと
  • 刺激的な内容で脳が活性化すること
  • 寝る直前まで作業していること

など、スマホの“使い方”全体が問題と考える研究者も増えているのです。


🧭 ポイント:
ブルーライトの影響は確かにあるが、使う時間・距離・内容も含めた「夜のスマホ習慣」が睡眠を左右する。

🤳 それでもスマホ離れは難しい人に贈る“調整のヒント”

「寝る前はスマホをやめた方がいい」とわかっていても、
完全に手放すのは正直むずかしいですよね。

ここでは、スマホを手放さずに“眠りとの相性”を良くする工夫をご紹介します。


🌙 スマホの“夜モード”を活用する

最近のスマホには、「ナイトモード」「ブルーライトカット」機能が搭載されています。
画面の色味を暖色系(オレンジ寄り)に調整することで、ブルーライトの影響を軽減する仕組みです。

たとえば:

  • iPhoneなら「Night Shift」
  • Androidなら「Night Light」や「ブルーライトカット」モード

を使って、就寝の2時間前から自動でオンになる設定にしておくと◎。


💡 明るさの自動調整も設定しよう

画面の明るさが強すぎるだけでも脳は“昼間”と錯覚します。
「自動調整」や「夜は手動で暗くする」といった小さな工夫が、脳への刺激をやわらげてくれます。


🚪 手の届かない場所に置くだけで効果アリ

「手元にあるとつい見てしまう…」という人は、

  • ベッドの隣ではなく、少し離れた棚に置く
  • 枕元ではなく、充電器ごと別室に置く

といった視界から物理的に離す工夫もおすすめです。

目に入らなければ自然と手が伸びにくくなり、
入眠のリズムもスムーズになっていきます。


📌 ポイント:
「ゼロにしなきゃ」と思わなくてOK。小さな工夫で“眠りにやさしいスマホ時間”をつくろう。


🧘‍♀️ 「完全禁止」じゃない、自分に合ったルールの見つけ方

「夜のスマホ=悪」と一刀両断するのではなく、
自分に合った“ほどよい距離感”を見つけることが、心地よい眠りへの第一歩です。


🔁 習慣は急に変えなくてOK

「いきなり夜のスマホをゼロにする!」と決意しても、
反動で余計に触りたくなったり、ストレスが溜まって続かないことも。

まずは、

  • 布団に入ったら10分以内にスマホを置く
  • SNSではなく音声コンテンツを流す
  • スマホを見るのは寝る1時間前までにする

など、“やめる”より“変える”ことから始めるのが続けやすいコツです。


📓「スマホ以外の眠りルーティン」をつくる

寝る前の時間をスマホ以外で心地よく過ごすことで、自然とスマホに頼らなくなっていきます。

たとえば:

  • 寝室にやさしいアロマを焚く
  • 好きなエッセイや詩を1ページ読む
  • ストレッチや深呼吸のルーティンを取り入れる

など、“五感を休める時間”を意識して取り入れると◎。


🎯 一番のゴールは「眠りたいときに、自然に眠れること」

スマホを完全にやめることよりも大切なのは、
眠りたい時間にスムーズに眠れて、朝スッキリ起きられること

自分の体調やライフスタイルに合った方法を、無理なく、少しずつ取り入れていきましょう。


💬 ポイント:
自分に優しく、できることからで大丈夫。
“スマホとの付き合い方”を見直すことが、自然な眠りへの近道です。


📝 まとめ|スマホとのつきあい方を見直せば、眠りは変わる

スマホのブルーライトは、たしかに睡眠に影響を与えます。
でも、だからといって「夜はスマホ禁止!」と自分を縛る必要はありません。

この記事では、

  • ブルーライトは“目を覚ます光”であること
  • スマホの画面は脳を刺激して入眠を妨げること
  • 最新研究では“光だけでなく使い方”にも注目が集まっていること
  • 完全にやめなくても、ナイトモードや距離の工夫でリスクを減らせること
  • 自分に合った“夜のスマホルール”を少しずつ見つけていくことの大切さ

をご紹介してきました。

大切なのは、
「スマホをやめること」ではなく、
眠りたいときに、ちゃんと眠れる状態を整えること」。

今日から、あなたの夜がちょっと心地よくなるヒントになりますように。